巨大都市に近接しながらも、都市的なにぎわいや商業性を街の内部に持ち込まず、住宅地としての役割に特化して成立している街です。有楽町・銀座方面へのアクセスは良好ですが、日常生活の中心は静かな住環境そのものに置かれています。 辰巳では、駅前に商業的な中心は形成されておらず、団地・公園・水辺・学校といった生活インフラが面的に広がっています。都市の近さを背景条件として受け取りながら、街はあくまで住まうための場所として設計・維持されてきたエリアです。
辰巳は、生活が街の中で完結するタイプの街ではありません。その代わり、住宅地としての役割を明確に引き受け、商業や都市的機能は周辺エリアに委ねるという分業が成立しています。 この割り切りによって、都心近接でありながら静けさを保つという、他のエリアでは成立しにくいバランスを実現しています。辰巳は、都市を使いこなす街ではなく、都市の近さを背景に、生活を静かに支えるための街だと言えるでしょう。